科学と精神世界

脳を徹底攻略してセルフイメージを変えてみよう(理論編)

11/30/2019

 

ルフイメージとは、一体なんでしょう。

 

様々に定義出来る言葉ですが簡単に言い表すと、「自分はこんな人間だ」という思い込みのことです。

 

人間の脳はセルフイメージに従って思考して自らの行動を決定し、そして実行します。

 

「オレは出来るやつだ!」というセルフイメージを持てば、脳は「出来る為の情報」を集めてきますが、「私はいつも失敗する。ツイてない・・」というセルフイメージを持てば、脳は「失敗する為」の行動を導びいてしまいます。

 

どうしても乗り越えられそうにない困難を乗り越えるのも、はたまたそれに挫折するのもセルフイメージ次第だという事です。

 

『ならばただ、良いセルフイメージを持てばいいだけじゃないか。』

 

ええ。その通りです。

 

でもそれには具体的な成功体験の蓄積こそが必要ですよね?

 

そもそもそれが『ない』人は『ポジティブに思考するんだ』と延々と自己啓発し続ける事になりますが、これこそが『先が見えない不安』となり、さらなる『挫折』を積み上げてしまう原因にもなり得るんです。

 

あなたもこれまでに中々結果が出せず、いい加減疲れたり飽きたりで『心が折れた』という経験、ありませんか?

 

闇雲に『とにかくポジティブ!』的な体育会系のノリで継続するのではなく、脳の仕組みを利用する事で合理的かつ比較的簡単にセルフイメージを書き換える方法を学びましたのでそれをまとめたいと思います。

 

今回はシリーズでお送りしますのでよろしくどうぞ。

 

(´ω`)ノ

 

セルフイメージと脳の働きの関係

 

潜在意識を活用してセルフイメージを高める

 

ルフイメージを「自分に対して自分が抱くイメージ」といったようになんとなく捉えるのではなく、自分自身をその中に含めたより具体的なビジョン(=全体像、空間)として捉えてみましょう。

 

これは”理想の自分”とその周囲にあるもの全てを具体的にイメージするということです。

 

この記事であなたに伝えたい事は

 

”なりたい自分とその環境”を細かく正確に映像化出来るのであれば、そのような現実を引き寄せる事ができるという話です。

 

あなたがたった1%程度の健在意識で無理矢理にでも明確な将来のビジョンが持てさえすれば、残り99%の潜在意識の力が『理想の自分』を自動的に実現してしまうのです。

 

朝、会社や学校へ8時45分に到着する為に朝食を食べて洗顔と歯磨きをして服を着替えて玄関に行って靴を履いてドアを開けて・・・・・・

 

なんて手順をあなたは一々意識して行動してませんよね?

 

料理や車の運転やスマホの操作、そしてセルフイメージを高めるのも同じことで、具体的に結果をイメージ出来て”習慣化”していることは苦もなく実現できてしまうものです。

 

セルフイメージを高める為には、それこそ具体的に理想を映像化することに慣れてさえしまえばいいのです。

 

この記事では順を追ってその方法を解説していきます。

 

脳は肯定的なイメージほど具体化し難い

 

早速ではございますが、ここで実験です。

 

(・ω・)ノ

 

頭の中で”なりたい自分”と”なりたくない自分”をそれぞれ、環境も含めたできるだけ鮮明な映像にしてみてください。

 

あなたはどちらをより鮮明にイメージできるでしょうか?

 

イメージしやすいのはどちらかと言えば、『現状』からよくない方向への引き算でイメージできる後者でしょう。

 

逆にプラス志向のイメージは『今ない物』を足し算して求める事になります。

 

数字の計算のしやすさで言えば足し算の方が簡単なのですが、何らかの方法で普段からセルフイメージを高める努力をしている人であってもいざ、『理想の将来像』を映像化しようとしてみると、その背景やステージに黒い枠がついていたりモヤっとしている事に気づく方が多いと思います。

 

つまり圧倒的に情報量が多い分、自ずと「なりたくない自分」のビジョンがより明瞭になってしまうんです。

 

さらにもう一つ、『上昇志向のビジョン』を不明瞭にしてしまう理由があります。

 

脳はそもそもの特性として急激な変化を嫌います。

 

できるだけ変わらないようにするこの脳の働きのことを脳科学では「安定化指向」と言いますが、この「安定化指向」よって大胆な上昇志向を持ったビジョンはたちまち希釈(きしゃく)され、あっという間に元通りのありのままの現状認識ビジョンと一致させられてしまう事になります。

 

『セルフイメージを高める』とは、自己肯定感を高めて自分の問題処理能力を引き上げるという事。

 

「セルフイメージ」と、その自分を落とし込むべき「ビジョン」を同時に引き上げていかなければ、どんどん理想とかけ離れていく環境に対して更なるストレスを抱える結果になってしまうという事なんです。

 

なぜ映像を明瞭にする必要があるのか?

 

は「不明瞭さを補う思考」で消耗する事を嫌うので、あなたが持つ『より明瞭なビジョン』をあなたのセルフイメージとして選び取って、それだけを現実化するように機能します。

 

 

 

 

『より低次のビジョンの方が明瞭である事』が自己実現の妨げとなっている

 

という話なんですね。

 

・・・脳ってヤツは意外とモノグサなんですよ。

 

(´σ `)

 

でもこれは仕方のない事でもあるんです。

 

お金をイメージする場合、人間は実際持てるお金の3倍程度までしか正確にイメージすることができないと言われています。

 

これを”年収”に置き換えて説明しますと、年収300万円の人が一年後の年収600万円という、現在の年収を単純に2倍にしたイメージをする事は可能でも、「年収1億円の自分の暮らし」を明確にイメージする事は絶対に出来ないという事です。

 

年収300万円の人がわざわざリッツ・カールトンで食事をしたり新幹線のグリーン車に乗ったり飛行機のファーストクラスを利用する『一時的な富裕層の模擬体験』は、「やる気を出す為の刺激」としては確かに有効ではあるのですが、『セルフイメージを高める』という目的においては、それを苦もなく継続して出来なくては特段やる意味がありません。

 

やりくりした「一時的な擬似体験の記憶」はサボり癖のある脳にとっても「擬似体験の記憶」でしかないのです。

 

年収1億円の人にとってはリッツ・カールトンで宿泊したり、新幹線のグリーン車に乗ったり、飛行機のファーストクラスを利用する事はリアリティがあって”当たり前でごく普通な事”でしかなく、富裕層のそういった行為に『非日常的で特別な意義』はありません。

 

要するにそのような「擬似体験」は、お金持ちの価値観とは根本的に違うことをやっているんだという事ですね。

 

山の頂上から見える景色は、山の中腹から見える景色とは全く違うのです。

 

って、まぁ山の頂上に行ってもないので実際のところは知らんのですけど。

 

(´・ω・`)

 

に、「より明瞭なビジョンを採用する」という「損得勘定」がある以上、高いセルフイメージを明瞭なビジョンとしてわざわざ脳に見せてやる必要があります。

 

脳科学的にセルフイメージを理解する

 

セルフイメージと『記憶』

 

『セルフイメージ』を心理学的に解釈すると

 

「潜在意識における自己認識」

 

といった、比較的わかり易い表現になりますが、

 

これを脳科学的に解釈すると

 

長期記憶の集積

 

となります。

 

人間の脳は、「海馬(かいば)」と呼ばれる「脳の司令塔」が活性化する3歳頃から記憶の蓄積を始めます。

 

睡眠中、海馬がその日一日の情報を整理して「長期記憶」として側頭葉に残すものを選別し続けています。

 

人間は生まれてすぐに自分が人間であると認識して自力で成長することが出来ないわけで、親に育てられた幼少期の環境、特に両親との関わりがどうだったのか?がセルフイメージの基礎にどうしても大きく影響してしまいます。

 

例えば仲の悪い両親が離婚して片親に育てられた場合は、セルフイメージのほぼ半分は否定的な記憶で満たされることになってしまい、セルフイメージが低くなった結果として常に人間関係で悩むようにさえなります。

 

例えあなたの幼少期そのようなものだったとしても、「私、始まる前から負けてんじゃん・・・」とは思わないでくださいね。

 

セルフイメージは戦略的に修正出来ちゃうんです。

 

記憶を書き換えろ!

 

「セルフイメージ」=「長期記憶の集積」

 

つまりセルフイメージの本体は「記憶」です。

 

想像力を駆使して潜在意識にビジョンの空白を埋めさせるのでなく、セルフイメージの本体であるこの「長期記憶」、つまり記憶そのものを意図的に書き換えて仕舞えば良いのです。

 

(。=`ω´=)ぇ?

 

・・・読み間違えではありませんよ?

 

もう一度言います。

 

記憶そのものを書き換えます。

 

人間の記憶は読み出される(=思い出す)度に、新たな意味付けをなされて更新されるようにできています。

 

参考別記事:トラウマを克服する方法

 

人の『記憶』というものはそのくらい脆弱(ぜいじゃく)なもので、そもそも正確性や客観性といった様な『信頼性』のあるものではないのです。

 

記憶とは、あなた自身の「創造物」でしかなく、真実はその出来事が起きたその瞬間にしか存在しません。

 

まとめるとこの話は、この「記憶の脆弱性(ぜいじゃくせい)=バグ」を利用してセルフイメージの本体である『記憶』そのものを書き換えるというものです。

 

ここからは「記憶」がどのように作られていくのか?という、科学的で多少めんどくさい話になりますが、セルフイメージだのビジョンだのが混乱したままでは

 

”明確にイメージする”なんつーフワッとした言い方じゃわかんねーぞ!

 

(#´Д゚)ア゙ァ゙?

 

なんてことになってしまうので、もうちょっと我慢してお付き合いくださいね。

 

 

視覚映像と脳の関係

 

イメージの形成には『視覚』がかなり深く関わっています。

 

といいますか、完璧に連動しています。

 

視覚の仕組み

覚で捉える情報は、目に入ってくる「光」です。

 

光が無い真っ暗な場所での視界は例外なく「ゼロ」です。何も見えません。

 

光は眼球(がんきゅう)から入って網膜(もうまく)に映像を写します。

 

この網膜に映像を写し撮る能力の評価のことを『視力』といいます。

 

網膜に映った映像はそのまま電気信号となって視神経を伝い、「視床(ししょう)」を経由して脳の視覚野(しかくや)へと送られます。

 

視覚野は視床から受け取った電気信号を、色・形・動きの3要素に分解整理して、脳のスクリーンに映像として映し出します。

 

網膜に映しとられた映像はようやくここで『目で見た映像』として脳が認識する様になっています。

 

 

私たちが「目で見ている」と思っているものは、視覚器官を通って来た電気信号を変換して「脳で見ている」もの

 

なんですね。

 

視床の役割

『視床』は「強すぎる光」から自己修復能力を持たない脳細胞を保護するためのもの。言い換えると高い電圧がかかる事よって脳に損傷を与えない様にする為の電気ブレーカーに当たります。

カメラのフラッシュを正面から浴びると目の前が真っ白になってしばらく視界を失うのは、まぶたや瞳孔を閉じる反応では間に合わない高電圧の電流に変換された映像の信号がこの視床によって視覚野に到達する直前で遮断されるからです。

光速にすら反応して脳を保護する、本当によくできている仕組みです。

 

普段見ている映像は脳が作り上げている『バーチャルリアリティー』

 

膜と視神経の接点は「視神経の始点」なので、光を映しとることが出来ません。

 

この部分が盲点(もうてん)となり、視界は一部欠落するすることになりますが、実際にはその様な『映像の穴』を私たちが意識することがありません。

 

これは人間の脳が、盲点の周辺の映像から予測して欠片部分を補完している、

 

つまり、盲点を「埋めている」のです。

 

同じく「鼻」は明らかに視界に存在していますが、意識しない限りは見えていないので私たちが普段から邪魔に感じることはありませんね。

 

これは盲点を補完するのとは逆に、脳が映像(=意識)から鼻を消しているということになります。

 

私たちが目で真実を見ていると思っているものは、この様に脳に様々に調整されたバーチャルリアリティだったのです。

色の識別について

 

『色覚』も脳によってコントロールされています。

 

は白と黒、および赤・緑・青の三原色(RGB)の計5色に独自にグラデーションを施して濃淡を付け、およそ7万色を識別できるようになっています。

 

この5色の識別が遺伝的な要因でうまく作用していない事を「色覚異常」と言いますが、色覚が正常であっても5つの原色以外の

 

水色、ピンク、オレンジ、灰色、茶色・・・

 

これらの色の見え方は個々に異なります。

 

例えば虹が7色であることは私たち日本人の共通認識ですが、実は国によってその共通認識が異なります。

 

これは国や人種によって中間色を捉える能力に差があるということでなく、それぞれの国で代々伝承されて定着している固定概念が異なるというだけの理由です。

 

 

改めて実際に数えてみればわかる話ですが、虹の中間色部分の見え方は空の明るさなど、その時々の環境によってどうにでも変わります。

 

上の写真だと私にはせいぜい4〜5色程度にしか見えませんので、幼少期に仕込まれた「虹色=7色」とは違います。

 

『なないろのにじ』は、『虹は7色あるもの』として刷り込まれているだけのことで、5つの原色以外で存在するはずの残り2つの中間色もやはり脳が調節して作り出しているバーチャルです。

 

識別できる中間色のバリエーションの数は訓練によって増やすことも可能なので、『色彩のプロ』である写真家や画家、グラフィックや服などのデザイナーと素人では、配色のこだわりに差があって当然ということですね。

 

視覚映像に関するまとめ

 

  • から入力された光の情報を器官を通じて脳のスクリーンに映し出された「映像」を、脳が「目で見たもの」として認識している。
  • は情報を独自に加えたり差し引いたり、時には全て遮断して脳のスクリーン映像を調整する。
  • 覚映像=意識上のバーチャル映像であるということ。

 

記憶=脳に蓄積された映像

 

脳は視覚映像と脳内再生映像の切り分けができない

 

睡眠中、海馬は記憶を処理するために、側頭葉に蓄積されている記憶を脳のスクリーンに映像として再生します。

 

この脳のスクリーンに映し出される映像を見た記憶が「夢を見た」という自覚症状です。

 

睡眠中に海馬によって処理されるのはその日一日の映像ばかりではありません。

 

すでに側頭葉に蓄積されている長期記憶も前頭葉に読み出され、映像として再生されることで海馬の選別にかけられます。

 

リアルタイムの視覚からの映像信号と記憶再生の違いは、それが前頭葉に入力される以前に通ってきたルートの違いでしかなく、

 

海馬で再生中の映像を、脳は視覚で見ているのか、脳のスクリーンで直接見ているのかの区別なく一律に「視覚」を使って捉えようとするため、

急速眼球運動(=Rapid Eye Movement の頭文字REMからレム)が起きます。

 

  • 視覚からの映像ルート:視覚器官→前頭葉→海馬→側頭葉
  • 側頭葉からの映像再生ルート:側頭葉→前頭葉→海馬→側頭葉

 

 

 

図中で猫に首輪が付くのは脳の特性上、側頭葉からの記憶の読み出しによってイメージが変換されてしまう様子を表しています。

 

睡眠の深さのサイクルと記憶処理の関係

レム睡眠状態では、海馬が映像を再生して記憶の選別を行っています。

(いわゆる「夢を見ている」状態。浅い眠り。)

対して「深い眠り」であるノンレム睡眠状態では、海馬が選別した映像を側頭葉に書き込みをし、長期記憶としての定着を行っています。

 

脳を騙してセルフイメージを高める

 

こまで述べてきた

 

  1. は視覚映像と脳内再生映像の切り分けができない
  2. 憶は読み出されるたびに再定義される

 

という2つの脳の記憶に関する特性を活かして

 

新規のビジョン(=映像)を前頭葉に割り込ませてセルフイメージ(=側頭葉に集積された記憶)をこれに入れ替える

 

というのが今からやろうとしている事です。

 

要するに「脳を騙す」、「脳のバグを利用する」

 

と言う事ですね。

 

この記事のまとめ

 

  • はより明瞭なビジョンを採用する
  • すぎるセルフイメージはビジョンが不鮮明になる
  • ルフイメージ=長期記憶の集積
  • 期記憶は映像として蓄積され、再生されるたびに内容が更新される
  • は視覚映像と記憶の判別はしない(そもそもがバーチャル)
  • のこれらのバグを活用してセルフイメージを書き換える

 

さいごに

 

脳に能力差が存在するからこそ人間社会には様々な階層が存在してしまいます。

 

ですが、その本質は環境を利用した個々の脳の使い方の違いでしかありません。

 

アインシュタインもスティーブ・ジョブズも、あなたも私も脳のつくりは皆一緒。

 

成功者とそうでない人の脳に影響するそもそもから違っている要素は、性別や生まれた年代や場所と、それらに付随した環境だけです。

 

遺伝による機能的な障害でもない限り、生まれ付いた脳の能力差は『誤差』の範囲でしかありません。

 

偉大な成功者等は、記憶そのものを「資産」として徹底的に活用しているのです。

 

当然、成功者が皆同じ轍(わだち)を踏んで成功している訳ではありませんが、心理学、脳科学研究の発展のおかげで科学的に自己実現の体系が確立されつつある事は紛れもない事実です。

 

ごちゃごちゃ言ってますが、専門家ではない私たちは

 

自分に都合の良い脳の使い方をただ学んで知ればよいというだけのこと

 

なんですよ。

 

長い話でしたが、次の記事ではこれらの知識を活用して実際にセルフイメージを書き換える方法をお伝えしていきます。

 

お読みくださってありがとうございました。

 

<(_ _)>

 

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